« 隠れたユーモア短編集-9- 一(いち)か八(ばち)か | トップページ | 隠れたユーモア短編集-11- 中ほど »

2018年3月 2日 (金)

隠れたユーモア短編集-10- 理想と現実

 言うは易(やす)く行うは難(がた)し・・の格言(かくげん)どおり、理想と現実は違う。そうなれば、いいなぁ~…と思っても、現実はそれを許さない柵(しがらみ)でそうなることを妨害(ぼうがい)するのだ。
 テレビ画面を見ながら、定年退職した男が奥さんに言った。
「母さん、こういう旅もいいよな」
「…理想ね。でも、現実はお金と暇(ひま)がね…」
「だよな…。俺も芸能デビューしたいよっ!」
「そりゃ、そうだけどさぁ~。こんなのんびりしてらんないわよっ。売れっ子は休めないそうだし…」
「嫌な仕事も断れないか…」
「そうそう! 理想と現実は違うのよっ」
「それにしても、昨日(きのう)のスキ焼の肉は美味(うま)かったなぁ~。高かったろ?」
「ふふっ! タイム・サービスの安いお肉っ。理想と現実は違うのよ」
 現実は違っても、安いお肉に調理が加わると理想の食事になるのである。

        
                   完

|

« 隠れたユーモア短編集-9- 一(いち)か八(ばち)か | トップページ | 隠れたユーモア短編集-11- 中ほど »