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2018年10月10日 (水)

泣けるユーモア短編集-32- 人

 人はさまざまで、ピンキリである。どの辺(あた)りからがピンで、どの辺りからがキリなのかは各自の判断次第だが、まあ、いろいろと種々雑多(しゅじゅざった)な人が存在することは事実である。
 とある、うらぶれた飲み屋に常連(じょうれん)客が屯(たむろ)している。
「ええっ! ¥20も安いドーナツが手に入った、だって?!」
「はいっ! 私も腕を上げたでしょ?」
「ははは…そんな大した腕でもないがなっ! 俺なんか、この前、売れ残ったタコ焼きを¥50で買った。人が途絶える時間帯があるからなっ!」
「それそれ! 店じまい前! 確かにあります。タイミングとコツですよね!」
「んっ? ははは…タイのコツ酒か、ありゃ美味(うま)いっ!」
「コツ酒…そういや、そろそろ甘酒の雛(ひな)祭りだぜ」
「甘酒にドーナツやタコ焼きは合わんぞっ! やはりそこは、菱餅(ひしもち)だろがっ!」
「ぅぅぅ…そんな怒るなっ!」
「泣ける話でもなかろっ!」
 飲み屋で、こういう呑気(のんき)な話ができる人々もいるから、人は様々だということになる。

        
                    完

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