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2019年1月 5日 (土)

暮らしのユーモア短編集-19- 活性化

 春ともなれば植物は活(い)き活きと勢(いきお)いを増し、動物・・取り分け、人はムラムラと旺盛(おうせい)な欲を出し始める。動植物とも、総じて活性化する訳だ。食欲の秋・・とか言いながら、春でも都合のいい、食欲の春・・なのである。まあ、新陳代謝が温暖な気候で活性化し、自然と食欲が出るのだろうが、都合のいい話ではある。
 とある老人会の一場面である。うららかな春の陽気に活性化して語り合う二人の老人がいる。
「ほう! 血色のよい顔になられましたなっ、平林さんっ!」
「ありがとうございます。あなたもお元気そうで…。お蔭(かげ)さまで体の調子もすっかり元通りになりました」
「活性化された訳ですなっ!」
「ははは…まあ、そのようなっ! 春先のことですからっ!」
「はあ、そらそうです。そういや、小腹が空(す)いてきましたなっ!」
「ええ、なんか、活性化してきましたっ!」
「いつものあそこで、どうですっ?!」
「そうですなっ! パッと活性化しますかっ!」
「そうそう、活性化、活性化!!」
 二人は老人会をコッソリ抜け出し、いつも馴染(なじ)みにしている食事処へと湿気(しけ)込んだ。
 活性化により、人は目的を果たすためシケ込むようである。^^

        
                   完

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