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2019年3月22日 (金)

暮らしのユーモア短編集-95- 出会いと別れ

 日々を暮らす私達にとって、出会いと別れは付きものである。出会いはいいが別れは辛(つら)く寂しい。ただの別れなら、また会えることもあるだろうから、そう辛くはないが、死に別れは辛い。逆にオギャァ~~!! と泣かれる新たな命との出会いは、やかましいが嬉しく心が弾(はず)む出会いとなる。
 久しぶりに出会った二人の老人が、とある集会場で語り合っている。
「惜しいことに、あと一歩で百(ひゃく)ですよっ! それが、旅立たれましたから…」
「祝い金をゴッソリ貰(もら)ってから旅出(たびだ)ちゃいいものをっ!」
「それそれっ! あと3ヶ月ですよっ! わたしゃ、腹が立って腹が立って!」
「そうそう! 貰わない手はないっ!」
「死に切れなかったでしょうなっ!」
「ええ、そう思いますよっ! 私なら、石に齧(かじ)りついても生き続け、札束を握って死にますっ!」
「地獄の沙汰(さた)も金(かね)次第(しだい)って言いますからなっ!」
「そうですっ! それにしても、腹立たしい別れでしたな…」
「そういや、この前は曾孫(ひまご)さんが生まれられたとかで…」
「でしたなっ!」
 二人は立て続けに起きた予想外の出費に、ブツクサ言い続けた。出会いと別れに、出費は付きものなのである。^^

                            完

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