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2019年3月18日 (月)

暮らしのユーモア短編集-91- 細(こま)かい

 暮らしの中で、人はいろいろな人と出会う。怒りっぽい人、のんびりした人、気短(きみじ)かな人、気長(きなが)な人、大雑把(おおざっぱ)でザックリした人、そして細(こま)かい人・・と、多種多様である。中でも、細かい人は傍目(はため)から見れば神経質に映(うつ)るのだが、実はそうとも限らないのだ。というのは、細かいからこそ見落としがちな細かい変化やミスに気づける・・というメリットも持ち合わせているのである。
 とある小売店である。
「ありがとうございます。¥979頂戴いたします」
 女子店員にそう言われ、客の煮出(にで)は、おやっ? と一瞬、訝(いぶか)しく思った。煮出の脳裏(のうり)には、前回までは確か・・¥958で買えた…という細かい計算式が成立していたのだ。ところが実際は、¥21の値上げとなっており、店のパンフレットにも写真入りで掲載されていたのである。ということはっ! である。細かい計算をした煮出が間違っていたのではなく、細かい価格差ながら、商品の値上げが行われた・・と、まあ、話は世知辛(せちがら)くなる。¥958のつもりで煮出は¥960をレジ台へ置いたのだが、追加で財布から¥10硬貨を2枚も追加して出さざるを得なくなった。価格改定でそうなったのだから、ブツブツ愚痴っても仕方がない。煮出は後ろ髪を引かれる思いで2枚の¥10硬貨を財布から出し、ぅぅぅ…という不幸この上ない気分でレジ台へと置いた。幸いにも女子店員の対応が細かいことながらよかったせいか、腹が立たなかったのは不幸中の幸いだった。
 細かい性分の人は、ほんの細かいことで気分を上げ下げするようだ。^^

         
                   完

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