« 暮らしのユーモア短編集-86- 単調(たんちょう) | トップページ | 暮らしのユーモア短編集-88- 五感(ごかん) »

2019年3月14日 (木)

暮らしのユーモア短編集-87- 歌詠(うたよ)み

 暮らしの中の趣味の一つとして、歌詠(うたよ)み・・がある。これには、川柳、冠句、俳句、そして和歌、連歌(れんが)などがあり、詠むことにより、風流な気分を堪能(たんのう)し、フフフ…と雅心(みやびごころ)で独(ひと)り、悦(えつ)に入る訳だ。^^ 個人的な趣味だから、詠むこと自体、何も思わない他人からすれば、どぅ~~ってことない…と思えるに違いない。
 とある二人の老人が一句(いっく)、詠んでいる。
「老いの脚 ころんで 見上げ 朧月」
「…転(ころ)びましたか。転んじゃ、いけませんな。大丈夫でしたかっ?」
「ええまあ、お蔭(かげ)さまで。軽い打ち身くらいで…」
「そりゃ、ようございました、お大事に。… ウキウキと 開ける戸棚に オハギなし」
「ははは…誰ぞに先を越されましたな。残念なことでっ!」
「孫でした…」
「ほう! お孫さんでは怒(おこ)れませんな…」
「ははは…左様(さよう)で」
 二人が座る床机(しょうぎ)近くに植えられた川辺(かわべ)の柳が風に楚々(そそ)と揺れる。ピンッ! とくる人には、もうお分かりだろう。感じさせる・・これが雅心なのである。二人の歌詠みは続いていく。^^

        
                   完

|

« 暮らしのユーモア短編集-86- 単調(たんちょう) | トップページ | 暮らしのユーモア短編集-88- 五感(ごかん) »