« 暮らしのユーモア短編集-93- 効率よく | トップページ | 暮らしのユーモア短編集-95- 出会いと別れ »

2019年3月21日 (木)

暮らしのユーモア短編集-94- 妨害と協力

 暮らしの中で個人的な行動がスンナリいくかどうかは、その時々の目に見えない影響力で定まる。目に見えない影響力・・これは昔風に例(たと)えれば、その個人の軍勢の力である。いくらお金を持っていても、そのお金がすぐ無くなってしまうような不確かなお金であれば、これはもう、烏合(うごう)の衆(しゅう)とでもいう軍勢で、力としてはまったく頼りにならない・・ということだ。おそらくは、桶狭間の戦いのように惨敗(ざんぱい)するに違いなく、討ち取られることも当然、覚悟しなければならない。要は、コトを果たせず、ほうほうの態(てい)で目的も果たせないまま撤退を余儀なくさせられる・・ということだ。コトが上手(うま)くいく場合は協力で、その反対が妨害である。どちらも見えない雰囲気という力だから、私達では及ばない。人はその力を神や仏などに例えてお願いするのである。多くの人々がお願いするのだから、お願いされる方は堪(たま)ったものではない。『ファ~~ッ! はいっ! 次の方っ!』くらいの等閑(なおざり)な気分にはなることだろう。
 とある駅の売店である。一人の男が、いつもの列車から下り、立ち食い蕎麦屋へ入った。
「いつもの…」
「はい…」
 常連客なのか、ツゥ~と言えばカァ~の間合いで、蕎麦屋の主人は天麩羅蕎麦(てんぷらそば)を準備し出した。双方とも乗り継ぎ時間が15分ばかり・・ということはよく理解できているから、見えない影響力も協力する。と、そこへ一人の一見(いちげん)客が現れ、注文した。
「かけ蕎麦!」
「すみませんっ! 少しお待ちをっ!」
 さあ、協力と妨害の鬩(せめ)ぎ合いが始まった。 主人は常連客に協力し、一見客をヤンワリと妨害した。ヤンワリは力強い。
「ああ、そう…」
 一見客は待たざるを得なくなり、敗走を余儀なくされたのである。
 まあ、こういう具合に世の中の暮らしは続いているのである。^^

        
                   完

|

« 暮らしのユーモア短編集-93- 効率よく | トップページ | 暮らしのユーモア短編集-95- 出会いと別れ »