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2019年5月 1日 (水)

愉快なユーモア短編集-35- 昔の子供遊び 9> 缶馬(かんうま)

 どんどん話を進めることにしよう。9>として缶馬(かんうま)という遊びもあった。缶馬とは呼ばなかったように記憶するが、ここでは便宜上(べんぎじょう)、缶馬と呼ぶことにしたい。この遊びもシンプルこの上(うえ)なく、使うものとしては、空き缶が2個と丈夫で適当な長さの紐(ひも)が2本もあれば事(こと)足りるのである。竹馬(たけうま)と同じような遊び方で、一人でも数人でも遊べる簡単な昔の遊びの一つである。まず、遊び道具を作る。空き缶の底に近い横に釘(くぎ)などで穴を開け、缶の中心とその穴を結ぶ延長線の点[直径の点]にも同じ穴を開ける。そこへ紐を通して左右に出た紐の先を結べば、はいっ! 完成っ! となる。これを2個、作れば、いよいよ遊びだ。缶の上へ両足の先を入れて歩けばいいだけだが、音が響きやすい硬(かた)い地面[石畳(いしだたみ)や舗装路]の上を歩くのが適当で、ポコッ、ポコッ!! と鳴るなんともいい音を楽しむ。音が馬の蹄(ひづめ)の音に似て、実に心地(ここち)よい愉快な遊びなのである。
 数人の子供が缶馬で遊んでいる。家の前の路地(ろじ)だから、周囲の家の中へは丸聞こえだ。
「ったくっ!! 遊んでないで、宿題やってしまいなさいよっ!!!」
 ガラッ! と一軒の家の窓ガラスが開き、母親のきついひと声が開口一番(かいこういちばん)、辺(あた)りに谺(こだま)した。子供達は蜘蛛(くも)の子を散らすように消え去った。
 音が聞こえないところで遊ぶのがいい、長閑(のどか)で愉快な昔の子供遊びである。^^

          
                   完

 

 

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