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2019年5月11日 (土)

愉快なユーモア短編集-45- 目に留(と)まる

 日々、暮らしていると、何気(なにげ)ないことが目に留(と)まることがある。目に留まらなくてもいいのに目に留まるのだから困ったものだ。留まらなかったことにしよう…と心に命じても、気になってしょうがなくなるのだから都合が悪い。こういうときこそ深呼吸の一つでもして心の冷静さを取り戻(もど)すことが肝要なのだが、なかなかそう上手(うま)くはいかない。というのも、冷静になろう! とする心が、すでに冷静でなくなっているのだから、冷静になれない訳だ。^^ 当然、愉快な気分などは疾(と)うに消え失(う)せている。
 とある場所で、若いイケていない男が一面識もない若いブス女と擦(す)れ違った。当然、擦れ違いざま、イケていない男の目にブス女が目に留まるということになる。始末が悪いことに、イケていない男はブス女に一目惚(ひとめぼ)れしてしまった。当然、イケていない男は踵(きびす)を返し、Uターンすると女のあとを追った。そんなこととは露(つゆ)ほども知らないブス女は、絆(ほだ)されたイケメンとの待合場所へと急いだ。
 ブス女が待合場所へ着いたとき、すでにそのイケメンは来ていた。始末が悪いことにその5分前、イケメンは通りかかった美女が目に留まり、声をかけた。イケメンは美女に一目惚れしてモーションをかけながら話し続けた。そこへブス女がやって来た・・という訳だ。ブス女がイケメンに声をかけようとしたとき、イケメンは美女の肩へ手を回しながら愉快な気分で遠ざかっていった。ブス女はションボリと不愉快な気分で気落ちした。するとそこへ、後(あと)をつけるイケていない男がやって来た。
「あの…よろしかったら、僕と…」
「? …はいっ!」
 二人は愉快な気分で歩き去った。
 目に留まれば、事態がややこしくなるが、まあこういう結論がベストに違いない。^^

        
                   完

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