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2019年5月13日 (月)

愉快なユーモア短編集-47- 疲労

 疲労には肉体的なものと精神的なものの二通(ふたとお)りがある。むろん、どちらも疲労には違いないから、体調不良の原因となる。肉体的な疲労の場合は、マッサージや休息、栄養補給をすれば事足(ことた)りるが、目に見えない精神的な疲労の場合は、そう簡単には回復しない。
 とある病院に設置された外来患者の待合所である。隣り合わせた二人の男が話をしている。
「どこかお悪いんですかっ?」
「私ですかっ? 私は内科です。ちょっと過労気味で栄養点滴を…。そう言うあなたはっ?」
「えっ? 私ですか? 私はこれだけのものですよ、ええ、ええ!」
「はあ?」
「いや、ちょっとした精神疲れで、気分が優(すぐ)れませんもので…」
「ノイローぜとか?」
「いや! そんな深刻なものではないんです」
「すると、トラウマ的な?」
「ええ、まあ…。ちょっとした問題ごとがありましてね。それで寝つけず、精神安定剤でもいただこうかと」
「すると神経科ですか?」
「ええ、まあ…」
「睡眠薬とかでは?」
「ははは…それはお医者のお決めになることですから」
「確かに…。お互い疲れ仲間ですなぁ~、ははは…」
「ははは…」
 疲れ仲間になれば、お互い愉快な気分で笑えるようである。^^

        
                   完

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