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2019年5月12日 (日)

愉快なユーモア短編集-46- やらねばっ!

 生活している中で、やらねばっ! と前もって意気込んでコトに望めば、割合とスンナリいくものである。意気込まなかった場合と比較すれば、違いは歴然となる。ガムシャラに寄り切る・・という大相撲の力士がいるが、何が何でも押し込んでやるんだっ! という気分が相手を土俵外へ突き出している・・といった具合だ。ただ、やらねばっ! に欲が絡(から)むと、今一歩(いまいっぽ)のところで突き落とされたり肩透(かたす)かされたりして、ぅぅぅ…と涙を呑(の)むことになる。
 大相撲中継が賑(にぎ)やかに番付を映し出している。解説者とアナウンサーの会話である。
「そのあたり、どうなんでしょうねぇ~餅山さん」
「はいっ! 一つ言えるのは、やらねばっ! ということなんじゃないでしょうか。見ていますと、なんか覇気(はき)がないというんですか? 怪我は自分が怪(あや)しいんですよっ!」
「はぁ?」
「いや、ははは…それは冗談ですが…。私も今日はカミさんに言われてるんですよっ!」
「はぁ?」
「いや、いつも国技館で買い忘れるもんで…」
「何をです?」
「ははは…グッズですよ、グッズ! ストラップっていうんですかっ?」
「若いですねっ、親方!」
「ははは…まだまだ、老いぼれてる訳にはいきません。精力は取られっぱなしですが、やらねばっ! ですよ、ははは…」
 親方は愉快な気分で笑った。やらねばっ! は、精力を消耗(しょうもう)するのである。^^ 

          
                   完

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