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2019年6月

2019年6月30日 (日)

愉快なユーモア短編集-95- 手前味噌(てまえみそ)

 その行動が法律に触れていない以上、誰にも人の自由な行動を妨害(ぼうがい)する権利はない。それは明らかに犯罪と看做(みな)される。自由な行動を妨害する人は間違った手前味噌(てまえみそ)な考えに左右されている場合が多い。手前味噌な考えとはその本人独特の考えで、多くの他人がそうとは考えない場合もある考えなのである。だから、考えが正しいなら、多くの人はその考えに賛同するから、手前味噌とは言わない。他人が手前味噌と言うのは、大部分が一種独特の世界観で、普通一般の常識を逸脱(いつだつ)している場合である。
 二人のサラリーマンが中華飯店で昼の食事をしている。
「ほう! 君は味噌ラーメンにソースをかけるのかいっ?」
 先輩が後輩サラリーマンを見ながら、訝(いぶか)しげに訊(たず)ねた。
「はあ、僕はいつもこうですっ! これが美味(うま)いんですよっ! 先輩もどうですか?」
「ははは…私はいいよっ!」
 先輩サラリーマンは変わった手前味噌なやつだな…とは思ったが、口には出さず思うに留(とど)めた。それもありか…とも思えたからだ。そこへ厨房(ちゅうぼう)から店主が何やら持って現れた。
「へい、おまちっ! いつものやつだよっ!」
「ああ親父(おやじ)さん、ありがとっ!」
 店主が手にしていたのは白髪葱(しらがねぎ)が入った器(うつわ)だった。
「ははは…ただですから、好きなだけ乗っけて下さいっ!」
「いつも、すいませんっ!」
 店主が厨房へ引っ込むと、後輩は白髪葱を味噌ラーメンの鉢(はち)へテンコ盛り乗せた。
「そんなにっ!?」
「ははは…これがまた美味いんですよっ! 先輩もどうですっ!」
「いや、俺は…」
 愉快な顔で悪びれもせず食べ始めた後輩を見て、先輩サラリーマンは、この手前味噌は直らんな…と諦(あきら)めた。
 手前味噌は愉快な手前味噌もあるのである。^^

         
                   完

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2019年6月29日 (土)

愉快なユーモア短編集-94- 雨の日

 地上から見れば、雨の日は曇(くも)ってシトシトと雨粒(あまつぶ)が大地へ降り注(そそ)ぐ。だが、雨の日は、どこでも雨が降っているのか? と問えば、実はそうでもない。その証拠(しょうこ)を示すのが、高山へ登って見られる御来光(ごらいこう)である。雲海(うんかい)を突き破るかのように昇るお日さまの光は、待つ者をして崇高(すうこう)で清々(すがすが)しい気分にさせる。もちろん、眺(なが)める者の天空は青空で、薄雲(うすぐも)くらいはあるかも知れないが、快晴のはずだ。よしんば、ガス雲で見えないとしても、ガス雲の上は晴れているのである。ただ、人々が晴れていることを実感出来ないだけなのだ。天文学的に宇宙から見れば明確で、とめどなく太陽の光は地球の大気圏へと降り注ぎ続けているのである。
 買い物帰りの二人の主婦が歩きながら話をしている。
「よく降りますわね…」
 痩(や)せぎみの主婦が空を眺(なが)めながら言う。蝙蝠傘(こうもりがさ)の色合いが年齢に合わずド派手だ。
「ほんとっ!」
 太りぎみの主婦が、釣られるように相槌(あいづち)を入れる。身に着けたネックレスがド派手で似合わない。
「雨の日は、なにをなさっているのっ?」
 急に突拍子(とっぴょうし)もない質問が飛ぶ。予想外の質問に、瞬間、太りぎみの主婦は返せず、一瞬、躊躇(ちゅうちょ)する。
「… 雨の日は、雨の日でしょ? いろいろありますでしょ?」
 太りぎみの主婦は上手(うま)く暈(ぼか)して切り返す。
「ええ、まあ…」
 それで二人の会話は沙汰止(さたや)みとなった。
 雨の日は愉快なことに、いろいろあるのである。^^

         
                   完

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2019年6月28日 (金)

愉快なユーモア短編集-93- あの頃

 誰にだって過ぎた過去のいい記憶はある。もちろん、悪い記憶だってあるにはあるだろうが、妙なことに、ふと、心を過(よ)ぎるのは、いい記憶なのだ。そうだ、あの頃…とニヤつきながら思い出す訳である。だが、他人はそんな心中は露(つゆ)ほども分からないから、変な人だな…と、ニヤつく人物を訝(いぶか)しげに窺(うかが)うことになる。よかったあの頃に浸(ひた)るのは時と場合や場所を考えねばならないのだ。^^
 二人の元プロボクサーが、あの頃に浸りながら話をしている。
「ははは…あの頃は、よかったですよ。皆さんにチヤホヤされっ!」
「そうそう! 女房(にょうぼう)までチヤホヤでしたよっ! 晩のオカズもよかった!」
「ははは…そうでした、そうでしたっ!」
「あの頃のあなたは強かった! 私は確か…あなたに負けましたねっ?」
「いや、そんなことはないでしょ! 確か、私の方が負けたと…」
「いやいや、そんなことはないっ!!」
「いやいやいや、確か、そのはずですっ!!」
 二人のボクサーは見解の相違で不貞腐(ふてくさ)れた。だが、二人とも間違っていた。あの頃、二人は一度も対戦していなかったのである。^^
 あの頃の記憶違いは愉快なことに怖(こわ)い。^^

          
                   完

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2019年6月27日 (木)

愉快なユーモア短編集-92- 待ったなしっ!

 待ったなしっ! ・・この言葉は、相撲の世界でよく行事さんが厳(きび)しくガナっておられる[失礼!^^]言葉だが、なにも相撲の世界に限った言葉ではない。口にするかしないかは別として、現実の社会でも、すべてが待ったなしっ! なのである。
 仲のよい近所の老人が縁台(えんだい)で将棋を指している。
「待ったなしっ!」
「いや、それはっ…」
「ダメ、ダメっ!」
「そこをなんとか一つ…。昼の蕎麦(そば)、奢(おご)りますから…」
「ははは…蕎麦くらいではっ!」
「それじゃ、鰻重(うなじゅう)ではっ!?」
「もう、ひと声っ!」
「じゃあ、そのあとの甘酒もおつけしましょう!」
「よろしい! では、一回だけですぞっ!」
 それを見ていた孫が呟(つぶや)いた。
「待ったなしっ! なのに?」
 二人は罰(ばつ)悪く、押し黙った。その二人を見ながら、孫は愉快な気分で茶目っ気たっぷりに笑った。
 子供は大人以上に、待ったなしっ! が鋭(するど)く分かっているようだ。^^

          
                   完

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2019年6月26日 (水)

愉快なユーモア短編集-91- 謎(なぞ)

 最近のテレビ・・といっても、もうかなり以前からだが、サスペンスとか事件もののドラマが多く放送されている。謎(なぞ)が謎を呼ぶドラマの展開に、視聴者は興味が湧き、その先の結末をゾクゾクする気分で心待ちしているのである。まあ、心待ちせず、他チャンネルの野球やサッカー中継を観たいっ! と思われる方も多いだろう。野球やサッカーでは謎は呼ばない。謎は呼ばないが、先の展開を知りたい…と思う心は同じはずである。
 近所の二人が立ち話をしている。
「あの先、どうなりました?」
「ああ! そういや、携帯が入って帰られましたな」
「はいっ! 実は急の来客で…」
「そうだったんですか。いや、あのあと、撃たれましたよっ!」
「ええっ、打たれたんですかっ!」
「ええ、撃たれてお陀仏です」
「お陀仏でしたか…」
「そうなりゃ、謎が謎を呼びますな?」
「? 別に呼ばんでしょ? 打たれたなら、サヨナラ負けですから…」
「? いや、いやいやいやっ! 実はあのあと、うちの嫁がサスペンスに変えましてなっ!」
「なんだっ! ということは?」
「はい、私も試合の行方(ゆくえ)は知らんのです」
「ははは…謎が謎を呼びますなっ!」
「ははは…確かにっ!」
 二人はダジャレに愉快な気分となり、笑った。
 謎は小さな子供が訊(たず)ねるように、すぐ湧くのである。^^

          
                   完

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2019年6月25日 (火)

愉快なユーモア短編集-90- 無駄

 一見(いっけん)、無駄に見えることでも無駄ではないことがある。というか、無駄・・ということは何もないと言った方が適切だろう。たとえば、何度も失敗を重ねる人を他人が見た場合、無駄だからやめた方が…と思わず声をかけたくなるに違いない。だがしかし、である。当の本人は無駄ではない! と信じて続けているのだ。さらに、他人がそう思ったあとで、ものの見事に出来てしまうことだってあるのだ。この場合は当然、無駄ではない。よしんば、結局、出来ず、徒労(とろう)に終わったとしても、決してその努力は無駄ではないのだ。なぜなら、その努力は忍耐力という形で次の行動や思考へステップする一助(いちじょ)になるからである。
 とある会社の営業課である。一人のショボい男が、この日も契約が取れず、ショボく帰ってきた。
「ははは…また、ダメでしたか。こんなこと、私が言うのもなんですが、もう、アソコはやめられた方がいいんじゃないですか? 無駄ですよっ! ええ、無駄っ!」
 小口(こぐち)ながらも契約を幾つも取り続ける、課のダントツ[断然、トップ]男は張られた掲示板の棒グラフを見ながら上から目線で言った。
「はあ…でも、私は取れそうな気がするんです。もう少し頑張ってみます」
「そうですか。あんな大口(おおぐち)は私らの会社じゃ無理なように思いますがね」
「はあ、そうなんでしょうが、とにかく私は続けますっ!」
 そしてひと月が経ったある日の夕方、ショボい男はウキウキと帰ってきた。
「ついに契約、取れましたっ!」
「エエ~~ッ!!」
 まさか、という顔で課の全員がショボい男を見た。当然、棒グラフはダントツだ。その日以降、課では取れない契約が取れるようになった。
 無駄は決して無駄ではないという一例である。^^

        
                   完

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2019年6月24日 (月)

愉快なユーモア短編集-89- 減価償却(げんかしょうきゃく)

 この世のものは、すべてではないものの、ほとんどの物が傷(いた)んだり磨耗(まもう)して使えなくなっていく。この事実は見える映像、見えない心理を問わず共通している。この磨耗を減価償却(げんかしょうきゃく)という。人が成人以降、年を取るにつれて肉体的[足腰が弱るなど]や精神的[ピュアさが消えるなど]に少しずつ老いていくといった例がそうだ。
 選挙が終わった次の日である。偶然、出会った二人の買い物客が店の前で立ち話をしている。
「終わりましたなっ!」
「はあ、終わりました。…まあ、読み筋どおりでしたが…」
「そうですな、寂しい限りです。ますます保守的になりました…」
「というか、政治が減価償却して、受け皿がないっ!」
「そうそう、対立軸がなけりゃ保守になりますわな」
「っていうか、政治を諦める・・みたいなっ!」
「ですなっ! となれば、投票より買い物とか? ははは…」
「私らですなっ! ははは…」
「永田町は草だらけっ!」
「まあ、草だらけじゃないかも知れませんが、二→一毛作くらいに減価償却してますかなっ! はっはっはっ…」
「はっはっはっ…」
 二人は馬鹿馬鹿しい! と言わんばかりに愉快な笑い声を上げた。
 減価償却すれば、勝つことが必ずしも勝ちとはならない・・ということだろうか。^

       
                   完

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2019年6月23日 (日)

愉快なユーモア短編集-88- 台風考察

 台風も凄(すさ)まじいのから頼りないの、困ったの、妙なの・・と、いろいろある。孰(いず)れにしろ被害を齎(もたら)すからお手柔らかに通過して欲しいことに変わりはない。
 台風一過の朝である。ご近所同士の老人二人が垣根越しに話をしている。
「いやぁ~、今回はやられましたよっ! 見て下さいっ!」
 指さした老人の目の前には、いい枝ぶりの高価そうな庭木が見るも無残な格好で倒れていた。
「ああ…これは無残(むざん)なっ!」
 見た老人にとって、その姿は恰(あたか)も、時代劇でよく観かける通りがかりの通行人がバッサリ! 辻斬りに斬られた姿に似ていなくもなかった。
「でしょ!」
「この台風は、なかなかの手だれですなっ!」
「はぁ?」
「いや、べつに。ははは…」
 見た老人は愉快な顔で暈(ぼか)した。
 台風考察すれば、誰も台風に斬られたくはないだろう。^^

           
               完

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2019年6月22日 (土)

愉快なユーモア短編集-87- 秋霖(しゅうりん)

 秋も半ばになると、シトシト・・と雨が降り続く日々が続くようになる。格好よく言えば秋霖(しゅうりん)だ。まあ、秋晴れがいいに決まっているが、これには一つの理由がある。干し柿が乾かず、黴(かび)たり水分が抜けずベチャベチャに溶けて下へ落ちてしまうからだ。^^ やはりお日さまの光がないと万物は潤(うるお)わず、愉快な気分になれないという話になる。余り降り過ぎるのは、過ぎたるは及ばざるが如し・・で、万事休す! となるのである。
 とある競馬場である。今度こそ万馬券を当てようと遮二無二(しゃにむに)、馬券を買い続ける一人の男がいた。この男がそうなったのには一つの理由があった。というのも、いつもは必ず出資額以上、儲(もう)けて帰っていたからである。ところがこの日はどうしたことか、買えども買えども勝てなかった。恰(あたか)もジトジトと降り続く秋霖のように、この男の不愉快な気分は鬱積(うっせき)していった。天はこの男を見放したかに思えた。そして、いよいよ最終レースとなった。
「ぅぅぅ…」
 レースが終ったとき、順位が確定した電光掲示板を見ながら男は秋霖のようにさめざめと泣いていた。大ハズレだった。ところが、である。
「んっ?」
 男の目の前にヒラヒラ・・と誰かが捨てたと思われる一枚のハズレ馬券が飛んできた。男はその馬券を手にして驚愕(きょうがく)した。
「おおっ!!」
 驚くなかれ、そのハズレ馬券は当たり馬券だったのである。しかもそれは、万馬券だった。男は愉快な気分で北叟笑(ほくそえ)んだ。その途端、男は卒倒し、病院へ担(かつ)ぎ込まれた。その後、男がどうなったかまで、私は知らない。
 そんなことで・・でもないが、秋霖よりは、やはり秋晴れの方がいいようだ。^^

       
                   完

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2019年6月21日 (金)

愉快なユーモア短編集-86- 連鎖(れんさ)

 連鎖(れんさ)とは影響が鎖(くさり)のように連(つら)なって繋(つな)がる状態を指す。分かりよい例では食物(しょくもつ)連鎖がある。植物性プランクトンを動物性プランクトンが食べ、動物性プランクトンを小海老や小魚などが食べ、それをまた大きな魚が愉快な気分でおいしいおいしいっ! と思っているかは定かでないが、とにかく食す・・という連鎖である。この現象は人間社会でも形を変え、横行している。
 とある小さな町工場である。朝から社長を含め社員数人が必死に紙コップを作っている。ガチャガチャと賑(にぎ)やかな機械音がする中、油汚れがないか検品する作業員二人が馴(な)れた手つきで次々と検品していく。
「どうなんだい、アレはっ?」
「ああアノ話か…。社長次第さっ! どっちにしろ、ここは食われっちまうだろうな…」
「食われっちまうって?」
「ああ、パクリっ! となっ! 大資本には勝てねぇ~ってことよ」
「ということは、●○紙業か△凸パックスってことかっ?」
「ああ…。そのいずれもが凹◎紙器に吸収されちまうってんだから怖(こわ)い話さ」
「連鎖だな…」
「ああ、連鎖、連鎖っ!」
「まあ、俺達は大丈夫かっ? ははは…」
「だなっ! ははは…」
 二人は愉快な気分で笑いながら作業を続けた。
 連鎖は怖いが、現場は割合と安定しているのである。^^

                            完

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2019年6月20日 (木)

愉快なユーモア短編集-85- とにかく、やるっ!

 結果がどうであれ、とにかく、やるっ! という心意気がこの世では肝心だ。やれば、成功、不成功は別として、自(みずか)らが納得できる。納得できれば、心残りなく次の行動へと移れる・・という上向きのスパイラルで、いっそう活力が出るというものだ。やらねば何の変化もなく、物事は良い悪いの関係なく収束(しゅうそく)の方向へと進むのが常だ。収束する方向がよければ問題はないが、悪い…と見込める場合は、とにかく、やるっ! のがいい。
 とある病院である。大げさな一人の力士が負傷し、喚きながら担(かつ)ぎ込まれた。担ぎ込まれた・・というほどの負傷でもなかったのだが、力士に言わせれば担ぎこまれた・・となる。担ぎ込まれた病院の医者と力士は、古くからの付き合いだった。
「先生、大丈夫ですかっ!」
「関取も大げさですなぁ~! たかが肩の打身(うちみ)くらいでっ!」
「打身くらいって、先生。万が一、折れでもしていたら、どうすんですっ!?」
「どうもしませんよっ! あなたも力士なら、とにかく、やるっ! この心意気でなくっちゃ!」
「人ごとだと思って…」
「なにか言った?」
「いや、べつに…」
「まあ、とにかく、やるっ! か…」
「ええ、是非(ぜひ)っ!」
 一時間後、力士は特大のシップ薬の袋を片手に下げ、愉快な笑顔で病院を出て行った。
 とにかく、やるっ! と、周囲を得心させることが出来るのである。^^

                           完

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2019年6月19日 (水)

愉快なユーモア短編集-84- 立候補者

 選挙戦たけなわである。朝から選挙カーが絶え間なく道を横切っている。野畑は昨日(きのう)の残業の疲れもあってか、目覚めていなかった。それでも選挙カーの流れとウグイス嬢の名調子はとどまるところを知らず、野畑を半(なか)ば起こそうとしていた。
「禿山(はげやま)滑(すべる)でございます! 朝早くからご町内をお騒がせいたし、誠に申し訳ございません」
「禿山でございます。今回の立候補に臨み、多くの方々から暖かい応援を頂戴いたしております。感謝を申し上げます。禿山は今回も頑張ります。より一層(いっそう)、頑張る覚悟でございます。皆様方の清きご一票を何卒(なにとぞ)、この禿山に賜(たまわ)りますよう、重ねてお願いを申し上げますっ!』
 ウトウトと眠っている野畑の耳にも、その声は、はっきりと聞こえていた。『滑るなよっ! ムニャムニャ…』そんな気分の野畑だったが、睡魔は野畑をふたたび眠りの世界へと誘(いざな)っていった。いつしか野畑は夢を見ていた。外では現実と同じように、選挙カーが絶え間なく走っていた。どういう訳か野畑はその選挙カーを雲の上から歯を磨(みが)きながら見ていた。
「獅子(しし)でございますっ! 獅子トウガラシでございますっ! 獅子トウガラシがピリッと辛(から)く、朝のご挨拶(あいさつ)に伺(うかが)っておりますっ! 獅子でございますっ! この獅子に清きご一票を賜りますよう、何卒、よろしくお願いを申し上げます。美味(おい)しくいたしますっ! 皆様方のご家庭で美味しく召(め)し上がっていただきますっ!」
 そのとき、フッ! と野畑は目覚めた。すでに、選挙カーの音は消えていた。だが、刹那(せつな)見た夢は、野畑の脳裏(のうり)に鮮明に残されていた。
「そういや、昨日、シシトウの天麩羅、店で食べたな…」
 野畑は思わず愉快な気分となり、ニヤリとした。
 立候補者は美味(おい)しいほどいいようだ。^^

                             完

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2019年6月18日 (火)

愉快なユーモア短編集-83- 染(そ)まる

 人には他に影響を受けて染(そ)まりやすい人とまったく染まらない人がいる。まあ、普通は適当にその場だけを合わせる・・といった、染まった素振りを見せたり、軽く影響を受けても、いつの間にか忘れてしまい、本来の自分へ戻(もど)ってしまう・・といった中庸(ちゅうよう)の人が大半だ。映画を見たあと、その主役になりきって映画館を出てきた人が数日後は元の自分に戻っている・・といった話が典型的な例である。
 会社ビルの前で、退社直後のサラリーマン二人が歩きながら話し合っている。
「ははは…まあ、いいじゃないかっ!」
「ダメなんですよっ、先輩! 僕、すぐ染まる体質なんですから…」
「ははは…染まりゃいいじゃないかっ! 染まって染まって染まりまくれっ!!」
「はい! でももう、染まってるんです、例の娘(こ)にっ!」
「ああ、あの娘かっ! かなり君に迫ってたからなぁ~。君だって満更(まんざら)でもなかったじゃないかっ!」
「ええ、まあ…というか、もう、ゾッコンなんですっ! これ以上、染まると、危険が危ないんです」
「なるほどっ! 危険が危ないか。ははは…愉快な話だっ! 俺は大丈夫だなっ、そっち方面はっ! だがな、俺も最近、染まっているものがあるにはあるっ!」
「先輩が、ですかっ? なんですっ?」
「パチンコっ!」
 後輩は、セコいなっ! とは一瞬、思ったが、口には出さず、笑って暈(ぼか)した。
 人は何に染まるか分らないのである。^^

         
                   完

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2019年6月17日 (月)

愉快なユーモア短編集-82- いい結果

 誰もが自分のやった行動の結果を気にする。当然のことだが、悪い結果を望む者は誰もなく、いいに決まっている。いいと、自己満足ながらも愉快ないい気分に人はなれる。これから物事をやろう! としたとき、その物事の上手(うま)くいく可能性が小さければ、どうだろう? 果たして、結果が悪い可能性が高いにもかかわらず、人は果敢(かかん)に動くのだろうか? ここに、人それぞれの違いの妙味(みょうみ)が生まれてくる。なせばなるっ! 的な発想の人は、どういう訳かいい結果が生まれる公算が高い。問題は何が何でもっ! と思う、その意識の強さにある。強ければ強いほど、いい結果となる。不可能を可能とすることさえあるのが、その意識の強さだ。日本史に登場する桶狭間で今川の大軍を撃破した織田軍などはその典型的な例である。
 ここは、とある選挙対策本部である。敗色濃厚の中、一人の候補者が痒(かゆ)くもない頭をボリポリと掻(か)いていた。
「先生っ! どうしましょう!」
「なにを言っとるんだっ! それを考えるのが君達、参謀(さんぼう)だろうがっ!」
「はあ、それはそうなんですが…。すでに、手は尽くしましたっ! もう、打つ手がっ! あと二日しかありませんっ!」
「ははは…だから君達は甘いんだ。まだ二日もあるじゃないかっ! これから敵の地盤を突き崩せば勝機は必ずあるっ!」
 それまで頭をボリボリ掻いていた手を止め、候補者は人が変わったような落ち着いた声で頭を撫でつけた。
「はいっ!!」
 選挙事務所に拍手と笑声が沸(わ)き起こった。このとき、選挙事務所の雰囲気が一変(いっぺん)したことを誰も知らない。雰囲気は誰の目にも見えないからだ。^^
 二日後、即日開票の結果、その候補者は不利な情勢を跳(は)ね除(の)け、見事に当選していた。
 意識の強さがいい結果を招(まね)いた愉快な例だ。^^

          
                  完

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2019年6月16日 (日)

愉快なユーモア短編集-81- 常識(じょうしき)

 常識(じょうしき)は、常識、上敷(うわし)き、畳(たたみ)、とも言われ、^^ 日常の世間で通用する規範(きはん)のようなものだが、強制力のある法律などとはいささか趣(おもむき)を異(こと)にする。いわば、変人に思われないための曖昧(あいまい)な概念(がいねん)である。世間の大多数が常識とすることは、少数の人々がやったり、やろうする違ったことを非常識とする。そのことを直接、口に出す人もあるが、変な人! …などと思うだけの人が大部分を占(し)める。だが、この常識が非常識な概念であることを多くの人々は分っていない。それは間違った概念が多くの人々の常識となっている場合だ。
 ポカポカ陽気の小春日和(こはるびより)、二人の老人が木陰(こかげ)の縁台(えんだい)で将棋を指(さ)している。
「ははは…なるほど、そういう手がありましたかっ!」
 思ってもいない奇抜(きばつ)な手を指された老人は、指した老人の顔を一瞥(いちべつ)すると、悔(くや)しそうな声でそう言った。
「ははは…常識ですよっ!」
「そうですか?」
「ええ、ええ。お知りじゃなかったんですかっ? 世間の愛好家なら百人が百人とも、こう指しますよっ!」
 笑顔で自身ありげに指した老人はそう返した。
「はあ…」
 ほぼ、負け将棋に思えた瞬間、指された老人の頭に非常識な手がフッ! と浮かんだ。指された老人は駒をビシッ! と盤上へ叩(たた)きつけた。これが必死となる妙手(みょうしゅ)で、勝負は大逆転した。
「… ま、参りましたっ!」
 残念そうに、常識を指した老人は負けを認めた。
 常識が非常識となった愉快な例の一つである。^^

        
                   完

 

 

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2019年6月15日 (土)

愉快なユーモア短編集-80- 四角四面(しかくしめん)

 四角四面(しかくしめん)・・とは、四面がすべて四角い真四角のエリアのことだが、そんなところから、まじめ過ぎて堅苦(かたぐる)しく融通が利(き)かないことを指す言葉である。ただ、四角四面はいい場合もある。堅いだけあって、その分、出すぎたり歪むこともないから、結果として元へ戻しやすいのである。柔らかいと確かに全(すべ)てのことに溶け込んで変化できるからいいが、元へ戻すとなると、これがどうしてなかなか厄介(やっかい)で、出来にくい難点があるのだ。だから四角四面の人物は、潰(つぶ)しが利かない半面、いざというときの安全装置・・とでもいえる存在となる。むろん、普段は余り役に立たない堅物(かたぶつ)として、周囲の評判はよくないだろう。^^
 ここはとある会社のとある課である。朝から課長以下、課員全員がとある重要書類を血眼(ちまなこ)で探し回っていた。
「お、おいっ! まだ、見つからんのかっ!!」
「は、はいっ!」
 課長の矢糸(やいと)は、係長の藻草(もぐさ)に叱咤(しった)するような声で叫んだ。
「アレがないと、わ、私はクビになるかも知れんのだぞっ!」
「わ、分かっておりますっ! き、君、そっちの書類棚はっ!?」
「はいっ! もう、探しましたっ!!」
 OLの家牟田(けむた)はバタバタとあちこちを探し回りながら息を切らせて言った。書類を提示する会議が始まる時間は刻々と近づいていた。そのとき、課長の矢糸の目に、まったく微動だにせず落ちついて机に座る四角四面な男の姿が映った。課員の氷場(ひば)である。
「お、お前っ!! 私がクビになってもいいのかっ!}
 矢糸の切れた声が氷場をめがけて飛んだ。
「えっ? いえ…」
「だ、だったら、さっさと探せっ!!」
 矢糸は完全に切れていた。
「探す必要はないと思いますっ! 重要な書類だと思いましたもので、僕が昨日(きのう)、会議室の机へ置いときましたっ!」
 氷場は落ちついた声ではっきりと返した。
「そっ! …」
 それを早く言わんかっ! とも言えず、矢糸はホッとしたこともあり、フロアの上へフラフラとへたり込んだ。
 四角四面は、やはり四角四面で、愉快な結果を招(まね)くのである。^^

       
                   完

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2019年6月14日 (金)

愉快なユーモア短編集-79- 先細(さきぼそ)り

 体重の異常増加は別として、^^ 先々(さきざき)の予想は先細(さきぼそ)りではなく太くありたいものだ。将来予測が先細りだと、これはもう戴(いただ)けないし困る事態である。元々(もともと)、細々(ほそぼそ)を旨(むね)としたり生業(なりわい)にしている人々は別として、誰しも先細りをしたくないからこの世で頑張っている訳だ。この場合、ダイエットで先細りしたい人は例外となる。^^
 二人の論客(ろんきゃく)がテレビ討論をしている。
「いやいや、日本の将来は、このまま行けば先細りですよっ!」
「そうですかねぇ? 私は先太りだと思いますが…」
「先太り? あなたじゃあるまいしっ!」
「私じゃあるまいし? どういうことですっ! 私の体系(たいけい)は関係ないでしょ!」
「… ああ、それは関係ないですが、ともかく先細りなんですっ!」
「なぜですっ!?」
「すべてが使い捨て感覚ですからねっ!」
「それは言えますっ! 部品在庫期間が10年だったり!」
「ええ、修理できませんから買い替えて下さい! ですから。ははは…」
「そうそう! アソコなら修理してくれる…っていう自社製品のアフターケア精神が国際信用力ですよねっ! 部品在庫センター部門でも作りゃいいんですよっ! その発想がないと、これからの低成長の時代、やはり先細りですか? ははは…」
 対立していた二人の論客は、いつの間にか先太りしたかのように愉快な笑い声で意気投合した。^^ 
 総(すべ)てに言えることだが、先細りを止めるためには、発想の転換が大事なようだ。^^

                            完

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2019年6月13日 (木)

愉快なユーモア短編集-78- 担(にな)い手

 公私、善悪を問わず、様々(さまざま)な組織を統帥(とうすい)する[束(たば)ねる]担(にな)い手は、その力量(りきりょう)が試(ため)されることになる。その器(うつわ)でない者が組織を統帥すれば、シッチャカメッチャカとなり、組織は乱れたり分裂を余儀なくされる訳だ。多かれ少なかれ組織が大きくなればなるほど、考え方が違う幾つものグループが生じるのは当然で、やむを得ない。組織の担い手は、この幾つもの考え方の違いを超える絶対的な信任がなければ永(なが)く君臨(くんりん)することが出来ない。考え方が多少、異(こと)なっても、ああ、あの方ならっ! …と、全会一致へ持ち込めるオーラを秘めた実力者・・それが真の担(にな)い手となり得る存在なのである。
 とある婦人会の会場で、役員の選挙が行われている。二人のしゃべくりマダムが小声で雀(すずめ)の囀(さえず)りのようにチュクチュク、チュンチュンと話し合っている。  
「そうよねっ! 豚丘(ぶたおか)さんなら、間違いないんじゃないかしらっ!」
「あなたもそう思うでしょ? 牛窪(うしくぼ)さんは少しお高く留(と)まってらっしゃるように思えるわっ!」
「そうなのよっ! 和風のお着物は素敵なんだけど、お高いのよねぇ~。もう少しお安く、いえっ! お低くされれば申し分ないんだけど…」
「なんか見下されてるようなところがあるじゃない。それが腹立たしいのよねっ!」
「ええ…。新しい担い手にはねぇ!」
「そう! だから豚岡さん」
 しばらくして壇上の選管(せんかん)から選挙結果が報じられた。
「開票結果は以上の通りです。よって、新会長は鳥滝(とりたき)翼(つばさ)さんと決定いたしました」
 会場から満場の拍手が起こり、鳥滝が座席から立ち上がり、笑顔でお辞儀した。雀のような二人のしゃべくりマダムは予想外だったからか、焼き鳥にされたように押し黙った。
 担い手は手頃な価格、いや、手頃な人が愉快な気分になれていいようだ。^^

          
                   完

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2019年6月12日 (水)

愉快なユーモア短編集-77-  失敗

 神や仏でない以上、程度の差こそあれ人に失敗は付きものだ。となれば、問題は失敗のあとの処(しょ)し方となるだろう。自暴自棄になり、その後のやる気をなくす者もいれば、冷静に失敗の処理をして、やり直したりその後の方法を考えたりする者など、各人(かくじん)各様(かくよう)に変化を見せることになる。
 とある美術大学である。粘土で塑像作りをする二人の生徒を、指導する教授が見守っている。
「…申し訳ないが、それは失敗だろうな。初めからやり直したほうがいいぞっ!」
「えっ? どうしてですか、教授?」
「ははは…私の耳はそんなにでかくないっ!」
「そうですかぁ~? このくらいだと思うんですが…」
「馬鹿野郎! それは象の耳だろっ!!」
 教授は失敬なヤツだっ! とムカついた。
「いや、失敗とは思えません。このまま続けますっ!」
「…」
 教授は瞬間、勝手にしろっ! とは思ったが、そうは言わず、もう一人の生徒の方へ歩(ほ)を進めた。ところが、もう一人の生徒は作っては崩(くず)し、作っては崩しを続けていた。
「どうしたの?」
「ああ、教授。いいところまでは出来るんですが、その先がいけません、いけません! 教授じゃないんです」
「…私じゃないのかいっ?」
「ええ…。なんとなく、教授モドキで、納得いかないんですよ…。ああ! これも失敗だっ!」
 もう一人の生徒は、ほぼ完成した教授像を崩そうとした。教授には寸分、違(たが)わないほど自分に酷似(こくじ)した名作に見えた。
「ああっ! 待った!! これでいいっ!」
 教授は思わず崩そうとする学生の手を止めた。
「ええ~~っ! これは、失敗でしょ、教授!」
「いやいや、ちっとも失敗じゃないっ! 大成功!」
 教授には一瞬、自分が崩される…と思えたのである。
「そうですかぁ~?」
「ああ…」
 失敗と成功は紙一重(かみひとえ)の感じ方の違いなのかも知れない。^^

     
                    完

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2019年6月11日 (火)

愉快なユーモア短編集-76-  姿(すがた)

 一度(ひとたび)家の外へ出ると様々(さまざま)な動きが姿(すがた)を見せる。姿とひと言では言えるが、それには音も加味(かみ)されているから多種多様(たしゅたよう)となる。そこへ飛び込むように一人の人物が加わるのだから大変だ。それまでの社会の姿+一人の人物といった新しい構図が生まれる訳だ。その人物が上手(うま)く世の中に馴染(なじ)めばスンナリと物事は流れるが、その逆を辿(たど)れば乱れを生じることになる。
 ここは、とあるファミリーレストランである。行きつけということもあり、淺川(あさかわ)は、いつものように閉店間際の店へと入っていった。そしていつものお決まりの席へ座ろうとした。ところが、もう客などいないはずの席に一人の男が座っているではないか。それに淺川が妙に思えたのは、テープル上に食器や皿などがなく、その男が食べた痕跡(こんせき)すらないことだった。さあ、どうしたものか…と瞬間、淺川は躊躇(ためら)った。自分の思い描いていた店の姿が予期せず違っていたからだ。淺川にすれば時間的なものも含め、当然、店内は誰もいなくなっていて、自分はその席へドッカ! と座るはずだったのである。それが、どんな偶然か、先客がいた。いや、それだけならまだしも、自分がいつも座るお決まりの席へ座っているのだ。さあ、どうしたものか…と淺川が思うのは必然だった。まあ、それでも座っているものは仕方がない。淺川は愛想笑いをしながら頭を下げた。
「やあ! もう閉店ですよっ! ここの常連さんですかっ?」
「? ああ、どうも…。私、ここの客じゃないんですよっ。この店のオーナーなんですがね。この席のテーブルが傷(いた)んでるから修理して欲しいって店主から電話がありましてね。それで夜、遅(おそ)く、具合を見に寄せてもらったというようなことで…」
「ああ! そういうことでしたか。傷み、といいますと?」
 そう言いながら、淺川は仕方なく近くの空(あ)いた席へ腰を下(お)ろした。
「ここなんですがね…」
 男が指で示したテーブルの隅(すみ)には細かな無数の傷が見えた。そのとき、淺川はハッ! とした。自分の無意識な癖(くせ)でつけた傷だったのである。
「…ああ! ははは…」
 淺川は思わず暈(ぼか)して笑った。これではとても自分の席だから他の席へっ! などと言えたものではない。[1]客ではなく店のオーナー、[2]自分がつけた傷というダブルの障害が立ちはだかったのだ。
 自分が無意識で描いている姿は案外、本人には分りにくいものなのだ。^^

        
                   完

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2019年6月10日 (月)

愉快なユーモア短編集-75-  三温四寒(さんおんしかん)                   

 夏の暑気が遠退(とおの)くと、やがて楚々(そそ)とした風情(ふぜい)で秋の気配が忍び寄る。当然ながら気温も少しずつ下がり始め、人々はやれやれ…と安堵(あんど)の息を一つ吐(は)くことになる。その頃も過ぎ、やがて彼岸の声を聞くようになると、僅(わず)かながら肌寒さを肌に感じる季節の到来(とうらい)だ。三温四寒(さんおんしかん)である。三寒四温(さんかんしおん)はメジャーによく遣(つか)われる言葉だが、三温四寒とは誰も言わない。三寒四温は中国北部や朝鮮半島に見られる気象で、初春の頃、寒い日が三日ばかり続き、そのあと暖かい日が四日ほど続く現象から派生した言葉だそうだが、その逆の三温四寒も当然起こり得るのだ。
 小春日和(こはるびより)の中、ご隠居二人が縁側(えんがわ)に座り、寛(くつろ)いでいる。
「いやぁ~、過ごしやすくなりましたなっ!」
「ええ、ええ。左様(さよう)で…。しかし、ここ数日、俄(にわ)かに朝晩が冷え込んできましたが…」
「三温四寒の始まりですかな、ははは…」
「なんです? その三温四寒というのは?」
「ははは…三温四寒は三温四寒です。三寒四温があるんですからその逆もあり・・と思っとります」
「なるほど! それは言えるかも、ですなっ! ははは…」
 二人のご隠居は茶を啜(すす)りながら菓子を頬張(ほおぱ)り、愉快な笑い声をあげた。
 三温四寒は目には見えず、忍者のように楚々と皆さんの周囲へ忍び寄るのである。^^

  
                          完

 

 

 

 

 

 

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2019年6月 9日 (日)

愉快なユーモア短編集-74-  精鋭(せいえい)

 何も数が多いからといって勝てたり、結果がよくなるものではない。要は数の質(しつ)の問題・・ということになる。分りやすく言えば、数が少なくても質がよければ、数が多くて質が悪いものに勝(まさ)る・・ということだ。この質がよいものを精鋭(せいえい)という。むろん、この精鋭にも限界はあるのだが…。精鋭だとしても、少な過ぎれば本能寺でアウトとなる史実のとおりだ。その逆で桶狭間もあるが、これは精鋭で成功した史実である。
 ここは、とある会社の社長室である。専務が呼ばれ、応接椅子で二人が話し合っている。
「いやぁ~社長!! いくらなんでも、それは無謀(むぼう)過ぎますっ! 相手は名うての大手、黒腹(くろばら)グループですよっ!」
「ははは…だから、いいんじゃないか、君(きみ)っ!」
「と、言われますと?」
 専務は社長の意図が分らず、訝(いぶか)しげに訊(たず)ねた。
「分らんかねっ? 相手はたかが小企業だ・・と油断しているっ! 相手のメイン取引先を落とせば株価は暴落、一巻の終わりだっ!!」
「なるほど…、しかし、いい手立てが…」
「ははは…すでに手は打ってある。我が精鋭部隊によるミッション・インポッシブルが始まっているのさ。まあ、来週を楽しみにしていてくれたまえっ!」
「はあ…」
 専務は意味不明のまま頷(うなず)く他はなかった。
 そして、一週間が巡った。
「しゃ! 社長っ!」
 社長室に朝刊を持った専務が叫びながら飛び込んできた。
「ははは…だろ?」
 社長はすでに結果が分っているからか、優雅に笑った。
 精鋭のミッションは愉快なほど、もの凄(すご)いのである。^^

                          完

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2019年6月 8日 (土)

愉快なユーモア短編集-73-  風向(かざむ)き

 風向(かざむ)きを読むことは重要で、それによって物事は成功へと近づく。目敏(めざと)い人は風向きを読む力に長(た)けていて、まあ、ほとんどの場合、失敗がない。だからという訳ではないが、友人を選ぶとすれば、風向きが読める目敏い人・・ということになる。むろん、それが人生を共にする、よりよきベターハーフなら申し分ないということなのだが…。^^
 農作業が終わった、とある山間地の田園である。二人の農夫が収穫後の田畑の整地をしている。棚田(たなだ)が散開(さんかい)する急勾配(きゅうこうばい)の土地柄(とちがら)からか、作業はもっぱら人力のみで行われ、うず高く盛られた稲藁(いなわら)へ、今,まさに火が点(つ)けられようとしている。そのとき、一人の農夫が叫んだ。
「ちょ、ちょっと待った!!! 今日は、やめよう!!」
「? どうしてだっ!?」
「雲の動きが早くなった! それに、向こうの空を見てみろやっ!」
 風向きが読める農夫が指さした空には、いつの間に湧(わ)き出したのか、黒雲(くろくも)が広がりを見せようとしていた。黒雲は風を伴(ともな)っていた。
「降るのかっ?」
「いや、まず降らねぇだろっ。だがよぉ~、風向きがよくないっ!」
「?」
「風向きからすりゃ、山へ炎が流れ、山火事になるぞぉ~!」
「…だなっ! やめだ、やめだっ!」
 ようやく分かったのか、風向きが読めなかった農夫は火を点けるのを思い止(とど)まった。その後しばらくして、二人は村へと引き上げた。うず高く盛られた稲藁の横には風向きが読めた農夫の稲藁帽が忘れられていた。
 風向きが読めることと忘れやすいこととの因果関係は、まったくない。^

                             完

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2019年6月 7日 (金)

愉快なユーモア短編集-72- 風通(かぜとお)し

 植物でも人でもそうなのだが、風通(かぜとお)しがよくなると気分もよくなる。ものを言わない植物の場合、幹(みき)に小さな枝[彦バエや胴吹きバエ]が出て幹の風通しが悪くなると、湿気が籠(こ)もりやすくなり、病害虫に侵(おか)され易(やす)くなるが、『ちょっと、ご主人! 刈って下さいよっ!』とも植物は言えず、気づかれないまま偉いことになる。ものを言う人の場合、風通しはまた、別の意味でも遣(つか)われる言葉である。
「課長! 小耳(こみみ)に挟(はさ)んだんですが、どうも大きな異動があるようですよっ!」
「おお、そうかっ! 役員達の考えは内部の風通しをよくしよう・・という腹だなっ!」
「ええ、どうもそのようです…」
「そうかっ! いや、どうも有難う。鋏(ハサミ)で切られんようにせんといかんなっ…」
「はあ?」
「いや、なんでもない…」
 盆栽が趣味の鍬形(くわがた)の頭に、ふと浮かんだのは、昨日(きのう)やった剪定(せんてい)だった。樹形を整えるため、細かな枝を随分と切り捨て、さっぱりとした樹形にしたのだが、切った枝が一瞬、自分に思えたのである。
「君なんか、これからだから大事にされるだろうが、俺なんかの年になるとな。…まあ、いいっ!」
「課長くらいの年になると、なんなんですっ!?」
 部下の蕪土(かぶと)は詰め寄るように詰問(きつもん)した。
「ははは…刈り込まれた挙句(あげく)になっ、ゴミで捨てられるのさっ!」
「ははは…、またまたっ! 冗談がきついっ!」
「ははは…まあ、そうだがっ!」
 否定して顔では笑ったが、鍬形の内心は怯(おび)えていた。先だっても友人の課長が子会社へ出向(しゅっこう)という形で飛ばされたのだ。早い話、風通しをよくするため、バッサリと切られたのである。
 風通しよくされれば普通の場合、気分はいいのだが、愉快な気分になれないこんな逆のケースもあるのだ。^^

         
                   完

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2019年6月 6日 (木)

愉快なユーモア短編集-71- やり遂(と)げる

 最後までやり遂(と)げよう…と思う心構えは大事だ。どうしても時間の都合とかで中途半端になってしまいがちだからである。誰だって思い通りにやり遂げられれば、愉快な気分になれるだろう。だが、そう上手(うま)く世の中はいくものではない。何かと突発的な障害が生じるからだ。
 とある旅行会社である。一人の年老いた客が若い社員と話している。
「どうしたんですかっ! さっきは大丈夫だって言ってたじゃないですかっ!」
「ええ、それはそうなんですが…。何かのトラブルで発券できないようなんですっ!」
 若い社員は目の前の専用パソコンを前に弱り果てながら言った。
「それを何とかするのが、あんたの仕事でしょ!」
 年老いた客はイラついて返した。
「はあ、そうなんですが…。なんとか、やってみます」
「ああ、何が何でもやり遂げて下さいっ! やり遂げられれば、いい旅行社だって近所に宣伝しますよっ!」
「何もそこまでしていただかなくても…」
「いや、宣伝しますっ! うちの町内には旅行したいお年寄りがワンサカいますからなぁ~」
「はあ、さよですか…」
「はいっ! だが、それはやり遂げられれば、のニラレバ炒(いた)めですがなっ! はっはっはっ!」
 年老いた客は笑いながら豪快にそう言い捨てた。若い社員は、あんたのことなんだから、笑ってる場合じゃないだろっ! とは思えたが、そうとも言えず、黙って頷(うなず)いた。
 その後、20分ばかり、若い社員とパソコンとの格闘続き、ついに、そのときが来た。
「や、やりましたよっ、お客さまっ!!」
「おっ! そうですかっ! あんた、偉(えら)いですねっ! 約束どおりやり遂げたんだから、ご近所に宣伝しときますよっ!」
「ははは…それは、いいですからっ!」
「いやいや、約束なんだからっ! あんた、商売っ気(け)がないっ! そんなこっちゃ出世できないですぞっ!」
「はあ、心します…」
 若い社員は厄介(やっかい)な客に捕(つか)まったなぁ~…と心でぼやきながら発券を終えた。
 年老いた客が帰ったあと、一部始終を見聞きしていた課長が若い社員に声をかけた。
「あのお客さん、なかなかいいこと言ってたなぁ~」
「そうですか? 僕、ああいう手合いは苦手(にがて)なんです」
「いやいやいや、あの方の言うとおりだっ! やり遂げる・・かっ。いい言葉だっ! 私もそう思う…」
「さよですか。いえ、そうですか、心します…」
 やり遂げる・・という前向きな心が、すべてを可能へと導(みちび)き、愉快な気分にさせるようである。^^

 

                            完

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2019年6月 5日 (水)

愉快なユーモア短編集-70- 浮気(うわき)

 夫婦間でチマチマと遣(つか)われる浮気(うわき)という言葉がある。だが、浮気という言葉は、なにも男女間のそういったチマチマとした縺(もつ)れ話(ばなし)を指すだけの言葉ではない。あのお方は浮気っぽい人だ…と言った場合、普通に考えれば、女癖(おんなぐせ)が悪いのか…と捉(とら)えられがちだが、よく気移りする人・・という意味でも遣われる言葉なのだ。まあ、ほとんどの場合、男女のチマチマとしたややこしい縺れ話になる方が多いのだが…。^^
 行楽の季節、自然の景観が心を和(なご)ませる、とあるキャンプ地である。二つのテントが隣り合う中、それぞれの家族が自然を満喫(まんきつ)している。お互いのテントが距離にして数mしか離れていないからか、双方の様子は手に取るように自然と目に入る。
「あれっ? あちら、ご近所の豚尾(ぶたお)さんじゃないかっ?」
「あらっ! 偶然ってあるのねっ」
「ああ…。おっ! あちらも気づかれたようだ。頭を下げておられるぜっ!」
「そうね…。ご挨拶(あいさつ)だけでもしておいた方がよくないっ?」
「そうだな…俺が行ってくるよっ!」
 鳥目(とりめ)は、そう言うと折りたたみ椅子(いす)を立ち、豚尾のテントへと近づいていった。
「やあ、豚尾さん! お宅もこちらへ?」
 鳥目は豚尾の妻に声をかけた。
「はいっ! ほんとっ、世間は広いようで狭(せま)いですわねっ、ほほほ…。あっ! この前はどうも…」
「えっ? ああ! アノことですか。ははは…いやいや、私のほんのちょっとした浮気ですよっ!」
 鳥目は悪びれて豚尾の妻に笑顔を見せた。その様子をテントの中で豚尾が聞いていた。豚尾は鳥目の浮気という言葉に、よからぬ思いを働かせた。鳥目はテントから出ると鳥目に言った。
「あんたっ! 私の妻にっ!」
「ち、違うのよっ、あなたっ!」
「そ、そうですよっ! 誤解しないで下さいっ!」
「どういうことですっ!」
「浮気性で気分が変わり、道を変えたんですが、偶然、奥さんにお出会いしまして、ゴロツキに絡(から)まれていた奥さんをお助けした・・というだけの話ですよっ!」
「ああっ! 鳥目さんは刑事さんでしたね! これはこれは、とんだ早とちりをっ!」
 豚尾は平謝(ひらあやま)りに謝った。
「いやいや、分かっていただければいいんですよっ! 私の言い方も悪かった。ははは…」
 二人は愉快な笑顔を見せ、一件は落着した。
 浮気は、誤解を招(まね)く危険な言葉なのである。^^

       
                   完

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2019年6月 4日 (火)

愉快なユーモア短編集-69- 理屈(りくつ)

 人は自分の立場を正当化しようとして、間違っているにもかかわらず理屈(りくつ)を捏(こ)ねる。何が何でも! と、意固地(いこじ)に自分の理窟を押し通そうとする無理な理窟は屁(へ)理窟と言われる。孰(いず)れにしろ、自分の主張が正しく、相手が間違っている・・とする一方的な考え方だ。この間違った理窟を頭脳的にやれば、人を欺(あざむ)いたりする犯罪行為ともなる。今の政治は…まあ、そういうことだ。^^
 とある蕎麦(そば)屋である。椅子席に座り、美味(うま)そうな中華を啜(すす)りながら二人の男が話し合っている。
「いや、ここの中華が一番、美味いんだよっ!」
「ああ、確かに美味いが、この前の店の方が美味いさっ!」
「そうかい? 麺の歯ごたえといい、味といい、そりゃ断然、こっちさっ!」
「いやいやいや、それはどうだろ。俺は前の店の歯ごたえと味が好きだっ! だいいち、こっちは焼き豚が一枚じゃないかっ! 向こうは二枚だぜっ!」
「それは理窟だろ。枚数が多いからって、いいもんでもないさ。その分(ぶん)、こっちは、ぶ厚いぜっ!」
 二人の遣(や)り取りを聞いていた店の主人は、いい気分ではない。
「お客さんっ! あっちも私の店なんですがねっ!」
「…」「…」
 二人は、たちまち押し黙り、冷えて伸びた麺を慌(あわ)てて啜った。
 理窟を捏ね合うと、何もいい結果が得られない・・というお話だ。^^

                                   完

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2019年6月 3日 (月)

愉快なユーモア短編集-68- 名月

 日々、悩まされたムッ! とするような暑気(しょき)が遠退(とおの)き、過ごしやすくなると、なぜか愉快な気分になってくる。汗ばまなくなる・・といったことも多分にあるが、取り分け、気分を愉快にさせるのが秋の到来(とうらい)だ。食欲の秋、行楽の秋、芸術の秋・・と、秋は何でもござれである。とくに、秋の夜長(よなが)、澄み渡った空の名月を愛(め)でながら美味(うま)い団子(だんご)、美酒に憩(いこ)う・・となれば、これはもう、幸せの極致(きょくち)といっても過言ではないだろう。思わず、フフフ…と笑(え)みが浮かぶというものだ。
 とある家庭である。名月を愛でながらご隠居とその息子が寛(くつろ)いでいる。
「いい月ですね…」
「ああ…、お前が言うと、いい月が曇るがなっ! ははは…」
「いやぁ~」
 頭を掻きながら、ご隠居の息子が悪びれる。肴(さかな)に出された秋刀魚(さんま)の刺身(さしみ)に箸(はし)をつけながら、美酒に酔いしれる二人。当然ながら、二人とも愉快、この上ない気分である。そこへ、飼い猫のタマが現れなくてもいいのに忍者走りのような速さで現れ、二人の肴を加えると、たちどころに姿を消した。二人の愉快な気分は、たちまち消え去り、不愉快、極(きわ)まりない気分となった。
 名月でも、美味いものが消えれば、愉快な気分も消え去るようだ。^^

                  完

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2019年6月 2日 (日)

愉快なユーモア短編集-67- 整える

 どうも、乱雑に散らかってる…と気になり、それなりに満足できる形にすることを整えるという。いや、自分は乱雑に散らかっていた方が気分が落ち着いていい…と思われる方もおられるだろうが、まあ、普通程度には整っていた方がいいに決まっている。^^ もちろん、汚れている場合も同じで、掃除が行き届いていない状態も整っていないといえるから、整えられれば整えたいものだ。^^
 女性の生け花教室がビルの一室で開かれている。多くの生徒が女性の家元(いえもと)の指導の下(もと)、ああでもない、こうでもない…と、こねくり回して花を活(い)けている。
 一人の生徒のところで家元の足が止まった。
「… あらっ! 整っていませんわねっ! 整えましょう、ねっ!」
 そう言いながら、家元は次の生徒の場所へと移動した。分りよく、こうしなさいっ! と言われなかったものだから、言われた生徒は、どこが整っていないのかしら? …と手が止まり、考え込んでしまった。
「あらっ! いい風情(ふぜい)に整ってますわねっ!」
 家元は直前に指導した生徒の顔を、整えるってのは、こういうのよっ! …とでも言うかのように見る。
 直前の生徒は次の生徒の活け花をジィ~~っと見守る。そして、余り変わらないのにっ! …と違いが分らず、首を傾(かし)げる。
 整えるというのは、形がない感性なのだ。^^

                          完

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2019年6月 1日 (土)

愉快なユーモア短編集-66- 興奮

 興奮すれば、愉快な気分が阻害(そがい)され、何も得することがない。それどころか、角(かど)が立ち、物事が悪い方向へと流れることになる。こうなるのが魔に刺されるという現象だ。相手がある場合だと片方が興奮しなければ物事は最小限、悪くはならないが、それでも何らかの悪い影響は出る。当然ながら双方が興奮すれば、これはもう悪いどころかド偉いことになる危険性が大きい。場合によっては、拗(こじ)れて取り返しがつかない事態にも立ち至る。この現象が人間世界では事件・・と呼ばれる性質のもので、非常に始末が悪い。
 とある肉屋の店先である。二人の客が透視ガラス棚に並んだ肉を物色している。
「おっ! 大将、いいのが入ってるねっ! それに、安いっ!」
「ははは…でしょ! 本日のサービス特価ですからっ!」
「ああ、そうなんだっ! じゃあ、300gほど貰(もら)おうかっ!」
「はいよっ! 300ねっ!」
 店の主人が肉を竹の皮で包み、秤(はかり)にかけたときだった。もう一人の客がその秤の針を何げなく見ていた。注文した客が常連なのか、肉屋の主人はニタリと笑うと、20gほど多めに包んだ。見ていた客は、しめたっ! と思った。
「同じのを300!」
 見ていた客は同じ肉を注文した。
「はいよっ! ありがとうございましたっ! また、どうぞっ!」
「どうもっ!」
 店の主人は先の客に肉を手渡し、代金を受け取った。そして、あとの客の肉を竹の皮に乗せた。ところが、である。包んだ秤の肉は300gちょうどだった。これがいけなかった。客は思いが外(はず)れ、興奮し始めた。
「重さが違うじゃないかっ!」
「えっ!? 300ですよねっ?」
「ああ、300だっ! 300だから320だろっ!」
「…?」
「さっき、320、乗せたじゃないかっ!」
 あとの客は益々(ますます)、興奮してきた。店の主人は瞬間、見られていたかっ、これはいかんっ! …と思った。その次の瞬間、場数(ばかず)を踏んだ馴れた客あしらいが炸裂(さくれつ)した。
「あっ! 前のお客さんのですかっ! アレは前回、肉がなくなったもんで、280しか包まなかったんで、そのお返しですっ!」
「… ああ、そうなの?」
 あとの客の興奮は収まり、事態は事なきを得た。
 興奮は冷静に対処すれば鎮火(ちんか)し、魔の火は収まるようだ。^^

      
                   完

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