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2019年8月 1日 (木)

分析ユーモア短編集 <27> 虫の知らせ

 上手(うま)い言い回しに、虫の知らせ・・というのがある。なにも虫が態々(わざわざ)出向いて、『ホニャララですよ…』などと知らせる訳がない。^^ 飽くまで、そんな微(かす)かな霊感(れいかん)のような感じを指す言葉なのである。
 花瓶(かびん)に風雅に挿(さ)された芒(すすき)の穂。三宝(さんぼう)の上へピラミッド形(がた)に見映(みば)えよく盛られた月見団子。蒼白(あおじろ)く照らす満月の光。そして静かさの中に聞こえる虫の集(すだ)き。そんな中、一人の男がドッペリと縁側(えんがわ)に腰を下ろし、何を思うでなく無我の境地(きょうち)で満月を愛(め)でている。そこへ一匹の猫がニャァ~~! と鳴くでなく楚々(そそ)と現れる。男は、ふと、その猫の動きで我に返る。と同時に、団子を猫に食われそうな虫の知らせを知る。^^ 結局、お月見相場の話ではなくなり、雑念が巡るのである。ところが猫は団子を食べることなく、男の横へドッペリと腰を下ろし、毛繕(けづくろ)いを始める。
 分析すれば、虫の知らせも結局のところ、当(あ)たり外(はず)れがある訳だ。^^

                           完

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