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2019年8月11日 (日)

分析ユーモア短編集 <37> 三(さん)竦(すく)み

 グーはチョキには勝つがパーに負ける。チョキはパーには勝つがグーに負ける。パーはグーには勝つがチョキに負ける。ではグーチョキパーが三者で戦えばどうなるか? 三者は氷のように動けなくなる・・という奇妙な結果が生じる。この現象を三(さん)竦(すく)み・・と呼ぶ。三竦みを分析すれば、なかなか面白い。^^
 とある会社である。Aは平社員でBの課長には頭が上がらない。BはAに偉(えら)ぶれるが、部長のCには頭が上がらない。で、Cは? といえば、A、Bともに偉ぶれそうなのだが、実は浮気相手との密会場面をAに見られ、Aには頭が上がらない。
 課内の一場面である。
「ダメじゃないかっ! A君!」
「はい! 以後、気をつけますっ!」
「ほんとに君というヤツはっ!!」
 課長のBが平社員のAを課長席前へ呼び出し、小言(こごと)をたれている。そこへ部長のCが偶然(ぐうぜん)、入ってきた。
「どうしたんだっ? B君。大層(たいそう)、お冠(かんむり)じゃないかっ…」
 怒られているAを見ながらCは庇(かば)うように言った。
「はあ! 実はAが、また契約をボツにいたしまして…」
 Aは、いいところへCが現れた…とばかり、ニヤついた。
「こらっ! 部長を前に何をニヤついとるんだっ!」
「ま! まあ、いいじゃないかっ、君っ! 失敗は誰にもある。つ、次、頑張ればいいじゃないかっ! だろっ!?」
「はあ。それは、まあ…」
「次は大丈夫だよなっ? ははは…A君」
「はっ! 部長、頑張りますっ!」
「もう、いいっ!」
 Bは仕方なく、Aを開放した。
 と、まあ、こういう三竦みもある訳だ。これは、ほんの一例だが、分析すれば世の中には、いろいろな三竦みがあり、実に面白い。^^

        
                  完

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